CBDとスキンケアの関係
近年のCBD製品の爆発的な人気は、特に化粧品とスキンケア製品市場で顕著です。製品は多種多様で、フェイスオイルやフェイスクリームから美容液、リップクリームさえあります。CBDが持つと言われているさまざまな効果を考えればこれは驚くにはあたりません。CBDには、ニキビ、シワ、赤みといった一般的な肌の悩みに効く可能性を示すエビデンスがあります [1]。とは言え化粧品は局所製剤ですから、成分が効果を発揮するためには肌に浸透しなければなりません。ですから消費者の中には、皮膚の外側に塗るものである化粧品に含まれるCBDには本当に効果があるのかと、疑問に思う人もいるかもしれません。本記事では、CBDが肌の見た目を良くする機能を果たす可能性について見ていきます。
CBDが持つ機能の一つとしてよく言われるのが、抗炎症作用です。炎症とは、皮膚の自然なプロセスのバランスが狂うことが原因で起きる、赤み、腫れ、その他の目に見える変化のことです。これを、ホメオスタシス(人体の自然な状態)からの逸脱と言います [2]。研究では、これは感染に対して免疫系が引き起こす反応であることが示唆されています [2]。免疫系の一部はエンドカンナビノイド・システム(ECS)によって調整されるので [3]、外部薬として塗布したCBDは、皮膚に存在するカンナビノイド受容体と結合することで、炎症や紅斑を抑え、鎮痛作用を発揮する可能性があります [4]。外用薬としてのカンナビノイドは初回通過代謝(消化器官から取り込まれた化合物のほとんどは初回通過代謝によって分解されます)を避けることができるので、経口摂取した場合よりも効果が高いと考えられています。Hammell らの論文は、CBDはある一定の濃度までは外用薬として吸収できると述べています。著者らは二つのジェルタイプ(一つは濃度10%、一つは1%)のCBD製品を比較し、二つの間に吸収率の差はなかったとしています。ただしこの論文ではまた、濃度の高いCBD製品を使うと塗布した部分のCBD量が増加するので、効果が高まる可能性があるとも書かれています [4]。
ECSには人体のホメオスタシスを維持する働きがあるわけですから [5]、CBDがECSに結合することによって、上述した以外の効果もあるということでしょうか? その答えはイエスです。CBDはそれ以外にも、肌の見た目を改善する、より多くの作用を発揮する可能性があります。たとえば研究によればCBDは、抗酸化物質として化粧品に使うことができます [6]。抗酸化物質は、フリーラジカルによる、私たちの細胞を構成する原子に損傷を与えるといった有害な作用を阻害します。紫外線、喫煙、飲酒、揚げ物を食べるといったさまざまな要因によって不対電子を持つ原子ができます。それがフリーラジカルです。フリーラジカルは不安定なため、酸素など、他の物質と反応します。酸素分子のフリーラジカルは、酸素のフリーラジカルが他の分子(たとえば肌を構成する分子)と絶えず結合し続けることで起きる連鎖反応である酸化ストレスに影響します。酸化ストレスは細胞を傷つけ、それが往々にしてシワとなって表れます [6]。これが、アンチエイジング化粧品にとって抗酸化物質が非常に重要である理由です。CBDの持つ抗酸化作用は、フリーラジカルを捕えて肌の損傷を防いだり、あるいはフリーラジカルを別の、より活性が低く有害性が軽度な形に変化させます [6]。さらに、エンドカンナビノイド・システムは酸化バランスに関与していますので、CBDは、人体が持つ天然の抗酸化物質の活性を変化させる可能性もあります。CBDは、カンナビノイド受容体CB1とCB2に作用することによって抗酸化酵素に影響を与えます [7]。受容体を活性化する、あるいは阻害することによって、CBDは抗酸化作用の特徴や表れ方に影響を与えるのです。
ニキビも、CBDが奏効する可能性がある皮膚の問題の一つです。ニキビができる主な原因は皮脂(皮膚が自然に分泌する油分)の過剰な産生と、皮脂腺と毛包の炎症です [8]。さまざまな研究が、CBDは皮脂を産生する細胞(脂腺細胞)の増殖、皮脂の産生、皮膚の炎症を調整することでニキビの治療に使えるということを示唆しています [9]。そうした研究の一つ(Olah et al.)[10] は、SZ95細胞株(この種の実験に使われる、不死化された脂腺細胞)を使って行われました [11]。この細胞にCBDを単独で投与しても皮脂の産生量に有意な変化は見られませんでしたが、初めにアナンダミド(人体にもともと備わっているカンナビノイド)を投与してからCBDを投与したところ、皮脂の産生が正常化されました [10]。さらに、アラキドン酸など、他の油性化合物に対するCBDの効果をテストしたところ、やはり過剰な皮脂産生が抑制されたのです。このことから、CBDは、過剰な皮脂の産生を減少させるだけでなく、ECSへの影響とは別に、皮膚細胞に直接働きかけることによって皮脂の産生のバランスを整えることができると推測されます [9]。実質的には、CBDには脂腺細胞の過剰な生成を防げる可能性があります。それによって皮脂の産生が正常化されると同時にホメオスタシスが促進されます [10]。ですからCBDは、皮脂を産生する細胞(脂腺細胞)とそれらの細胞が産生する皮脂の量の両方を抑制することによって過剰な皮脂の産生を正常化するということができます。
ニキビの治療を考える際に欠かせないもう一つの要素が、キューティバクテリウム・アクネスの異常増殖です。これは皮膚に棲み、ニキビができる一因と考えてられている細菌です。ですから、ニキビを正しく治療するためには、抗菌機能について見ていく必要があります。ヘンプシードの抽出物の抗菌作用を検証した研究がありますが、そこにCBDが含まれていたかどうかは報告されていません [12]。CBDが、キューティバクテリウム・アクネスを含むある種の細菌を非活性化させることを証明した小規模な臨床試験はいくつかありますが [13]、CBDの抗菌作用を決定的に証明するためにはさらなる研究が必要です。つまり、ニキビのできやすい肌向けのスキンケア製品にとってCBDは、皮脂の産生を正常化させるだけでなく、抗菌作用を発揮してキューティバクテリウム・アクネスの量を抑えるという意味でも効果的な成分である可能性があるのです。
ここまでお話しした以外にも、CBDが局所薬に有用な成分となり得る理由は多々あります。たとえばCBDは、乾癬の主な原因である不必要な皮膚細胞の増殖を正常化させることが証明されています。Ramot らの論文 [14] は、カンナビノイドに、乾癬の人に見られる過剰な皮膚細胞の増殖の原因となる受容体を「オフ」にできる可能性があることを示しています。CB1受容体の活性化は、人間の発毛を阻害し、表皮角化細胞(皮膚のタンパク質細胞の外側の層)の増殖を減少させました。CB1受容体への治療的な介入は、増殖と炎症のどちらも阻害し、それによって乾癬などの皮膚疾患を予防できる可能性があります。またこの論文には、CB1受容体によるタンパク質の生成は主に、角化細胞の増殖が起きる表皮部分より上で行われることを示しています。したがってCB1受容体と結合するCBDは、過剰な皮膚のタンパク質細胞の増殖を減少させて細胞の増殖を正常なレベルに戻し、ホメオスタシスに導くことができるのです。この論文は、CBDに、皮膚タンパク質細胞の過剰産生に関連した皮膚疾患の治療に有効な成分となる可能性があることを証明しています。
最近まで、スキンケア製品におけるCBDの効能として知られていたのは保湿効果だけでした。でも、ここでご紹介した研究によれば、CBDをスキンケア製品に使うことは、さまざまな皮膚のタイプや疾患に適していると言うことができます。CBDはニキビの治療に効果があるだけでなく、肌の赤みを減少させ、抗炎症作用も発揮します。さらに、アンチエイジングのためのスキンケア製品にCBDを加えると、その抗酸化作用によってシワが減少する可能性もあります。局所薬に含まれるCBDの効果を完全に理解するためにはさらなる研究が必要ですが、肌につける製品におけるCBDの可能性は、急速に人気が高まっています。
[1] Nikita Jhawar, Elizabeth Schoenberg, Jordan V. Wang, Nazanin Saedi, The growing trend of cannabidiol in skincare products, Clinics in Dermatology, Volume 37, Issue 3, 2019, Pages 279-281, https://doi.org/10.1016/j.clindermatol.2018.11.002
[2] Punchard, N.A., Whelan, C.J. & Adcock, I. The Journal of Inflammation. J Inflamm 1, 1 (2004). https://doi.org/10.1186/1476-9255-1-1
[3] I. Khan, M. et al., 2016. The therapeutic aspects of the endocannabinoid system (ecs) for cancer and their development: From nature to laboratory. Current Pharmaceutical Design, 22(12), pp.1756–1766.
[4] Hammell, D.C. et al., 2015. Transdermal cannabidiol reduces inflammation and pain-related behaviours in a rat model of arthritis. European Journal of Pain, 20(6), pp.936–948.
[5] Bíró T, Tóth BI, Haskó G, Paus R, Pacher P. The endocannabinoid system of the skin in health and disease: novel perspectives and therapeutic opportunities. Trends Pharmacol Sci. 2009 Aug;30(8):411-20. doi: 10.1016/j.tips.2009.05.004. Epub 2009 Jul 14. PMID: 19608284; PMCID: PMC2757311.
[6] Bickers DR, Athar M. Oxidative stress in the pathogenesis of skin disease. J Invest Dermatol. 2006 Dec;126(12):2565-75. doi: 10.1038/sj.jid.5700340. PMID: 17108903.
[7] Atalay, S.; Jarocka-Karpowicz, I.; Skrzydlewska, E. Antioxidative and Anti-Inflammatory Properties of Cannabidiol. Antioxidants 2020, 9, 21. https://doi.org/10.3390/antiox9010021
[8] Joseph Genebriera, Mark Davis, CHAPTER 70 – ACNE, Pharmacology and Therapeutics, W.B. Saunders, 2009, Pages 973-981, https://doi.org/10.1016/B978-1-4160-3291-5.50074-3.
[9] Baswan SM, Klosner AE, Glynn K, Rajgopal A, Malik K, Yim S, Stern N. Therapeutic Potential of Cannabidiol (CBD) for Skin Health and Disorders. Clin Cosmet Investig Dermatol. 2020 Dec 8;13:927-942. doi: 10.2147/CCID.S286411. PMID: 33335413; PMCID: PMC7736837.
[10] Oláh A, Tóth BI, Borbíró I, Sugawara K, Szöllõsi AG, Czifra G, Pál B, Ambrus L, Kloepper J, Camera E, Ludovici M, Picardo M, Voets T, Zouboulis CC, Paus R, Bíró T. Cannabidiol exerts sebostatic and antiinflammatory effects on human sebocytes. J Clin Invest. 2014 Sep;124(9):3713-24. doi: 10.1172/JCI64628. Epub 2014 Jul 25. PMID: 25061872; PMCID: PMC4151231.
[11] Zouboulis, C.C. et al., 1999. Establishment and characterization of an immortalized human sebaceous gland cell line (sz95)1. Journal of Investigative Dermatology, 113(6), pp.1011–1020..x
[12] Frassinetti, S., Gabriele, M., Moccia, E., Longo, V. and Di Gioia, D., 2020. Antimicrobial and antibiofilm activity of Cannabis sativa L. seeds extract against Staphylococcus aureus and growth effects on probiotic Lactobacillus spp. LWT, 124, p.109149.
[13] Blaskovich, M.A.T., Kavanagh, A.M., Elliott, A.G. et al. The antimicrobial potential of cannabidiol. Commun Biol 4, 7 (2021). https://doi.org/10.1038/s42003-020-01530-y
[14] Ramot, Y., 2013. Peer review #1 of “A novel control of human KERATIN Expression: Cannabinoid receptor 1-mediated signaling Down-regulates the expression of keratins K6 And K16 in human Keratinocytes in vitro and in situ (v0.1)”.
近年のCBD製品の爆発的な人気は、特に化粧品とスキンケア製品市場で顕著です。製品は多種多様で、フェイスオイルやフェイスクリームから美容液、リップクリームさえあります。CBDが持つと言われているさまざまな効果を考えればこれは驚くにはあたりません。CBDには、ニキビ、シワ、赤みといった一般的な肌の悩みに効く可能性を示すエビデンスがあります [1]。とは言え化粧品は局所製剤ですから、成分が効果を発揮するためには肌に浸透しなければなりません。ですから消費者の中には、皮膚の外側に塗るものである化粧品に含まれるCBDには本当に効果があるのかと、疑問に思う人もいるかもしれません。本記事では、CBDが肌の見た目を良くする機能を果たす可能性について見ていきます。
CBDが持つ機能の一つとしてよく言われるのが、抗炎症作用です。炎症とは、皮膚の自然なプロセスのバランスが狂うことが原因で起きる、赤み、腫れ、その他の目に見える変化のことです。これを、ホメオスタシス(人体の自然な状態)からの逸脱と言います [2]。研究では、これは感染に対して免疫系が引き起こす反応であることが示唆されています [2]。免疫系の一部はエンドカンナビノイド・システム(ECS)によって調整されるので [3]、外部薬として塗布したCBDは、皮膚に存在するカンナビノイド受容体と結合することで、炎症や紅斑を抑え、鎮痛作用を発揮する可能性があります [4]。外用薬としてのカンナビノイドは初回通過代謝(消化器官から取り込まれた化合物のほとんどは初回通過代謝によって分解されます)を避けることができるので、経口摂取した場合よりも効果が高いと考えられています。Hammell らの論文は、CBDはある一定の濃度までは外用薬として吸収できると述べています。著者らは二つのジェルタイプ(一つは濃度10%、一つは1%)のCBD製品を比較し、二つの間に吸収率の差はなかったとしています。ただしこの論文ではまた、濃度の高いCBD製品を使うと塗布した部分のCBD量が増加するので、効果が高まる可能性があるとも書かれています [4]。
ECSには人体のホメオスタシスを維持する働きがあるわけですから [5]、CBDがECSに結合することによって、上述した以外の効果もあるということでしょうか? その答えはイエスです。CBDはそれ以外にも、肌の見た目を改善する、より多くの作用を発揮する可能性があります。たとえば研究によればCBDは、抗酸化物質として化粧品に使うことができます [6]。抗酸化物質は、フリーラジカルによる、私たちの細胞を構成する原子に損傷を与えるといった有害な作用を阻害します。紫外線、喫煙、飲酒、揚げ物を食べるといったさまざまな要因によって不対電子を持つ原子ができます。それがフリーラジカルです。フリーラジカルは不安定なため、酸素など、他の物質と反応します。酸素分子のフリーラジカルは、酸素のフリーラジカルが他の分子(たとえば肌を構成する分子)と絶えず結合し続けることで起きる連鎖反応である酸化ストレスに影響します。酸化ストレスは細胞を傷つけ、それが往々にしてシワとなって表れます [6]。これが、アンチエイジング化粧品にとって抗酸化物質が非常に重要である理由です。CBDの持つ抗酸化作用は、フリーラジカルを捕えて肌の損傷を防いだり、あるいはフリーラジカルを別の、より活性が低く有害性が軽度な形に変化させます [6]。さらに、エンドカンナビノイド・システムは酸化バランスに関与していますので、CBDは、人体が持つ天然の抗酸化物質の活性を変化させる可能性もあります。CBDは、カンナビノイド受容体CB1とCB2に作用することによって抗酸化酵素に影響を与えます [7]。受容体を活性化する、あるいは阻害することによって、CBDは抗酸化作用の特徴や表れ方に影響を与えるのです。
ニキビも、CBDが奏効する可能性がある皮膚の問題の一つです。ニキビができる主な原因は皮脂(皮膚が自然に分泌する油分)の過剰な産生と、皮脂腺と毛包の炎症です [8]。さまざまな研究が、CBDは皮脂を産生する細胞(脂腺細胞)の増殖、皮脂の産生、皮膚の炎症を調整することでニキビの治療に使えるということを示唆しています [9]。そうした研究の一つ(Olah et al.)[10] は、SZ95細胞株(この種の実験に使われる、不死化された脂腺細胞)を使って行われました [11]。この細胞にCBDを単独で投与しても皮脂の産生量に有意な変化は見られませんでしたが、初めにアナンダミド(人体にもともと備わっているカンナビノイド)を投与してからCBDを投与したところ、皮脂の産生が正常化されました [10]。さらに、アラキドン酸など、他の油性化合物に対するCBDの効果をテストしたところ、やはり過剰な皮脂産生が抑制されたのです。このことから、CBDは、過剰な皮脂の産生を減少させるだけでなく、ECSへの影響とは別に、皮膚細胞に直接働きかけることによって皮脂の産生のバランスを整えることができると推測されます [9]。実質的には、CBDには脂腺細胞の過剰な生成を防げる可能性があります。それによって皮脂の産生が正常化されると同時にホメオスタシスが促進されます [10]。ですからCBDは、皮脂を産生する細胞(脂腺細胞)とそれらの細胞が産生する皮脂の量の両方を抑制することによって過剰な皮脂の産生を正常化するということができます。
ニキビの治療を考える際に欠かせないもう一つの要素が、キューティバクテリウム・アクネスの異常増殖です。これは皮膚に棲み、ニキビができる一因と考えてられている細菌です。ですから、ニキビを正しく治療するためには、抗菌機能について見ていく必要があります。ヘンプシードの抽出物の抗菌作用を検証した研究がありますが、そこにCBDが含まれていたかどうかは報告されていません [12]。CBDが、キューティバクテリウム・アクネスを含むある種の細菌を非活性化させることを証明した小規模な臨床試験はいくつかありますが [13]、CBDの抗菌作用を決定的に証明するためにはさらなる研究が必要です。つまり、ニキビのできやすい肌向けのスキンケア製品にとってCBDは、皮脂の産生を正常化させるだけでなく、抗菌作用を発揮してキューティバクテリウム・アクネスの量を抑えるという意味でも効果的な成分である可能性があるのです。
ここまでお話しした以外にも、CBDが局所薬に有用な成分となり得る理由は多々あります。たとえばCBDは、乾癬の主な原因である不必要な皮膚細胞の増殖を正常化させることが証明されています。Ramot らの論文 [14] は、カンナビノイドに、乾癬の人に見られる過剰な皮膚細胞の増殖の原因となる受容体を「オフ」にできる可能性があることを示しています。CB1受容体の活性化は、人間の発毛を阻害し、表皮角化細胞(皮膚のタンパク質細胞の外側の層)の増殖を減少させました。CB1受容体への治療的な介入は、増殖と炎症のどちらも阻害し、それによって乾癬などの皮膚疾患を予防できる可能性があります。またこの論文には、CB1受容体によるタンパク質の生成は主に、角化細胞の増殖が起きる表皮部分より上で行われることを示しています。したがってCB1受容体と結合するCBDは、過剰な皮膚のタンパク質細胞の増殖を減少させて細胞の増殖を正常なレベルに戻し、ホメオスタシスに導くことができるのです。この論文は、CBDに、皮膚タンパク質細胞の過剰産生に関連した皮膚疾患の治療に有効な成分となる可能性があることを証明しています。
最近まで、スキンケア製品におけるCBDの効能として知られていたのは保湿効果だけでした。でも、ここでご紹介した研究によれば、CBDをスキンケア製品に使うことは、さまざまな皮膚のタイプや疾患に適していると言うことができます。CBDはニキビの治療に効果があるだけでなく、肌の赤みを減少させ、抗炎症作用も発揮します。さらに、アンチエイジングのためのスキンケア製品にCBDを加えると、その抗酸化作用によってシワが減少する可能性もあります。局所薬に含まれるCBDの効果を完全に理解するためにはさらなる研究が必要ですが、肌につける製品におけるCBDの可能性は、急速に人気が高まっています。
[1] Nikita Jhawar, Elizabeth Schoenberg, Jordan V. Wang, Nazanin Saedi, The growing trend of cannabidiol in skincare products, Clinics in Dermatology, Volume 37, Issue 3, 2019, Pages 279-281, https://doi.org/10.1016/j.clindermatol.2018.11.002
[2] Punchard, N.A., Whelan, C.J. & Adcock, I. The Journal of Inflammation. J Inflamm 1, 1 (2004). https://doi.org/10.1186/1476-9255-1-1
[3] I. Khan, M. et al., 2016. The therapeutic aspects of the endocannabinoid system (ecs) for cancer and their development: From nature to laboratory. Current Pharmaceutical Design, 22(12), pp.1756–1766.
[4] Hammell, D.C. et al., 2015. Transdermal cannabidiol reduces inflammation and pain-related behaviours in a rat model of arthritis. European Journal of Pain, 20(6), pp.936–948.
[5] Bíró T, Tóth BI, Haskó G, Paus R, Pacher P. The endocannabinoid system of the skin in health and disease: novel perspectives and therapeutic opportunities. Trends Pharmacol Sci. 2009 Aug;30(8):411-20. doi: 10.1016/j.tips.2009.05.004. Epub 2009 Jul 14. PMID: 19608284; PMCID: PMC2757311.
[6] Bickers DR, Athar M. Oxidative stress in the pathogenesis of skin disease. J Invest Dermatol. 2006 Dec;126(12):2565-75. doi: 10.1038/sj.jid.5700340. PMID: 17108903.
[7] Atalay, S.; Jarocka-Karpowicz, I.; Skrzydlewska, E. Antioxidative and Anti-Inflammatory Properties of Cannabidiol. Antioxidants 2020, 9, 21. https://doi.org/10.3390/antiox9010021
[8] Joseph Genebriera, Mark Davis, CHAPTER 70 – ACNE, Pharmacology and Therapeutics, W.B. Saunders, 2009, Pages 973-981, https://doi.org/10.1016/B978-1-4160-3291-5.50074-3.
[9] Baswan SM, Klosner AE, Glynn K, Rajgopal A, Malik K, Yim S, Stern N. Therapeutic Potential of Cannabidiol (CBD) for Skin Health and Disorders. Clin Cosmet Investig Dermatol. 2020 Dec 8;13:927-942. doi: 10.2147/CCID.S286411. PMID: 33335413; PMCID: PMC7736837.
[10] Oláh A, Tóth BI, Borbíró I, Sugawara K, Szöllõsi AG, Czifra G, Pál B, Ambrus L, Kloepper J, Camera E, Ludovici M, Picardo M, Voets T, Zouboulis CC, Paus R, Bíró T. Cannabidiol exerts sebostatic and antiinflammatory effects on human sebocytes. J Clin Invest. 2014 Sep;124(9):3713-24. doi: 10.1172/JCI64628. Epub 2014 Jul 25. PMID: 25061872; PMCID: PMC4151231.
[11] Zouboulis, C.C. et al., 1999. Establishment and characterization of an immortalized human sebaceous gland cell line (sz95)1. Journal of Investigative Dermatology, 113(6), pp.1011–1020..x
[12] Frassinetti, S., Gabriele, M., Moccia, E., Longo, V. and Di Gioia, D., 2020. Antimicrobial and antibiofilm activity of Cannabis sativa L. seeds extract against Staphylococcus aureus and growth effects on probiotic Lactobacillus spp. LWT, 124, p.109149.
[13] Blaskovich, M.A.T., Kavanagh, A.M., Elliott, A.G. et al. The antimicrobial potential of cannabidiol. Commun Biol 4, 7 (2021). https://doi.org/10.1038/s42003-020-01530-y
[14] Ramot, Y., 2013. Peer review #1 of “A novel control of human KERATIN Expression: Cannabinoid receptor 1-mediated signaling Down-regulates the expression of keratins K6 And K16 in human Keratinocytes in vitro and in situ (v0.1)”.


