CBN(カンナビノール)とは?
CBN(カンナビノール)は比較的最近になって市場に登場した化合物ですが、実は大麻から単離されたカンナビノイドの最初のものです。Δ9-THCとCBDという主要な2つのカンナビノイドが約80年前に初めて単離され、ある程度詳しく研究されてきているのと違って、CBNはこれまでやや見過ごされてきたところがあります。CBNをはじめとする、あまり知られていない「マイナー」カンナビノイドについては、確実で決定的な研究はまだやっと始まったばかりです。そしてCBNの初期研究は、具体的な適用に関するものよりも、人体に与える全体的な作用にフォーカスが置かれる傾向があります。
CBNは、大麻草の中で生成される過程が少し変わっています。ほとんどのカンナビノイドは、オリベトール酸などの前駆体の合成を通じて生成され、カンナビノイドの酸性型ができ、それが脱炭酸し、中性型になります(たとえばカンナビジオール酸 [CBDA] は自然に分解されてカンナビジオール [CBD] になります)。一方、CBNのでき方はこれとは違い、THC が分解されてできます。CBNが、古くなった大麻草に含まれることが多いのはこのためです—THCは、時間の経過とともにゆっくりとCBNに変換されるのです。
CBNが実際に人体にどんな影響を及ぼすかはよくわかっていませんが、一つ決定的な研究として挙げられるのが Farrimond らによる 2012年の論文で、マウスの食欲にさまざまなカンナビノイドが与える影響を調べたものです。THCが食欲を増進させるというのは大麻を知る人たちの間ではよく知られた事実です(「マンチー」を体験したことのある人なら誰もがそう言うでしょう)ので、THC以外のカンナビノイドにもこれと同じ働きがあるとしても驚くにはあたらないでしょう。この論文には具体的に、CBDは食欲を抑える働きがある一方、CBNは食欲を高めると述べられています。さまざまな化合物が人体に及ぼす影響を、倫理的・効率的に予測するためにしばしば使われるのがマウスモデルですので、こうした作用が人間にも当てはまるという仮説は理に適ったものです。THCはすでにCBNと同じ作用を発揮しているのかもしれませんが、THCと同じ目的を達するけれども副作用がないものとして、CBNはより一般向けで受け入れられやすいカンナビノイドとなるかもしれません。
他のカンナビノイドと同様に、CBNについても、疼痛管理(Wong et al. 2019)、がん治療(Sharafi et al. 2019)、抗菌作用(Appendino et al. 2008)など、さまざまな使い方の可能性が研究されています。ただしこうした研究はまだ初期段階にあり、この興味深いカンナビノイドにどんな医療利用の可能性があるかはまだわかっていません。THCが持っている可能性を前例とするならば、CBNにも無数の医療効果が見つかる可能性は高く、それが何であるかを正しく特定さえできればよいのです。
Appendino et al. (2008) Antibacterial cannabinoids from Cannabis sativa: a structure-activity study, Journal of Natural Products, 8, 1427-1430.
Farrimond et al. (2012) Cannabinol and cannabidiol exert opposing effects on rat feeding patterns, Psychopharmacology, 1, 117-129.
Sharafi et al. (2019) Potential Use of Cannabinoids for the Treatment of Pancreatic Cancer, Journal of Pancreatic Cancer, 1, 1-7.
Wong et al. (2019) Cannabidiol, cannabinol and their combinations act as peripheral analgesics in a rat model of myofascial pain, Archives of Oral Biology, 104, 33-39.
CBN(カンナビノール)は比較的最近になって市場に登場した化合物ですが、実は大麻から単離されたカンナビノイドの最初のものです。Δ9-THCとCBDという主要な2つのカンナビノイドが約80年前に初めて単離され、ある程度詳しく研究されてきているのと違って、CBNはこれまでやや見過ごされてきたところがあります。CBNをはじめとする、あまり知られていない「マイナー」カンナビノイドについては、確実で決定的な研究はまだやっと始まったばかりです。そしてCBNの初期研究は、具体的な適用に関するものよりも、人体に与える全体的な作用にフォーカスが置かれる傾向があります。
CBNは、大麻草の中で生成される過程が少し変わっています。ほとんどのカンナビノイドは、オリベトール酸などの前駆体の合成を通じて生成され、カンナビノイドの酸性型ができ、それが脱炭酸し、中性型になります(たとえばカンナビジオール酸 [CBDA] は自然に分解されてカンナビジオール [CBD] になります)。一方、CBNのでき方はこれとは違い、THC が分解されてできます。CBNが、古くなった大麻草に含まれることが多いのはこのためです—THCは、時間の経過とともにゆっくりとCBNに変換されるのです。
CBNが実際に人体にどんな影響を及ぼすかはよくわかっていませんが、一つ決定的な研究として挙げられるのが Farrimond らによる 2012年の論文で、マウスの食欲にさまざまなカンナビノイドが与える影響を調べたものです。THCが食欲を増進させるというのは大麻を知る人たちの間ではよく知られた事実です(「マンチー」を体験したことのある人なら誰もがそう言うでしょう)ので、THC以外のカンナビノイドにもこれと同じ働きがあるとしても驚くにはあたらないでしょう。この論文には具体的に、CBDは食欲を抑える働きがある一方、CBNは食欲を高めると述べられています。さまざまな化合物が人体に及ぼす影響を、倫理的・効率的に予測するためにしばしば使われるのがマウスモデルですので、こうした作用が人間にも当てはまるという仮説は理に適ったものです。THCはすでにCBNと同じ作用を発揮しているのかもしれませんが、THCと同じ目的を達するけれども副作用がないものとして、CBNはより一般向けで受け入れられやすいカンナビノイドとなるかもしれません。
他のカンナビノイドと同様に、CBNについても、疼痛管理(Wong et al. 2019)、がん治療(Sharafi et al. 2019)、抗菌作用(Appendino et al. 2008)など、さまざまな使い方の可能性が研究されています。ただしこうした研究はまだ初期段階にあり、この興味深いカンナビノイドにどんな医療利用の可能性があるかはまだわかっていません。THCが持っている可能性を前例とするならば、CBNにも無数の医療効果が見つかる可能性は高く、それが何であるかを正しく特定さえできればよいのです。
Appendino et al. (2008) Antibacterial cannabinoids from Cannabis sativa: a structure-activity study, Journal of Natural Products, 8, 1427-1430.
Farrimond et al. (2012) Cannabinol and cannabidiol exert opposing effects on rat feeding patterns, Psychopharmacology, 1, 117-129.
Sharafi et al. (2019) Potential Use of Cannabinoids for the Treatment of Pancreatic Cancer, Journal of Pancreatic Cancer, 1, 1-7.
Wong et al. (2019) Cannabidiol, cannabinol and their combinations act as peripheral analgesics in a rat model of myofascial pain, Archives of Oral Biology, 104, 33-39.


